「地域におけるコミュニティビジネスのネットワークの現状と未来」
2010年 01月 23日
去る1月15日に経済産業省関東経済産業局(於・さいたま新都心合同庁舎)で開催された、タイトルのようなシンポジウムに参加してきました。
これは経済産業省関東経済産業局と広域関東圏コミュニティビジネス(CB)推進協議会が主催するものです。
今回は第1部で静岡、第2部では東京多摩地区の報告(パネルディスカッション)がありました。
第1部静岡における事例を発表してくださったのは、以下の3名です。
鈴木芳雄氏(有限会社 三和畜産<とんきぃ>代表取締役社長)
望月 誠氏(静岡県産業部商工業局商工振興室長)
山下智久氏(浜松市商業政策課 商業振興グループ長)
「とんきぃ」は肥料にもこだわって豚を育て、その美味しい豚を食べて欲しいと農家レストランも経営しています。そこで使うお米も美味しさにこだわり自分たちで作っているそうです。また、自分のところだけが潤うのではなく、地域全体が良くなることを目指して「ものづくり研究会」を立ち上げ、「奥浜名カテキット共和国」を組織しました。これはグリーンツーリズムを通じて奥浜名湖の自然が育んだ田舎・自然を体験するものだそうです。現在は5軒のお店が加入しています。
望月氏と山下氏は、行政の立場からどのように支援をしているかや、他のコミュニティビジネスの例などをあげながら、今後のエリアごとの産業起こし等を語られました。
休憩を挟んで第2部は多摩地区の発表です。多摩地区からは以下の4名が登壇されました。
高橋一郎氏(西武信用金庫 常務理事・事業支援部長)
長島 剛氏(多摩信用金庫 価値創造事業部 副部長)
堀池喜一郎氏(三鷹CB研究会、広域関東圏CB推進協議会幹事)
竹内千寿恵氏(NPO法人Mystyle@こだいら代表理事、広域関東圏CB推進協議会理事)
2つの信用金庫からは、信用金庫が地域に果たす役割と実際に行なっている活動や支援についての話がありました。以前は主に中小企業を中心に考えられていた信用金庫としての役割を、今はNPOも視野に入れて対応しているとのことです。
筆者も認識が薄かったのですが、信用金庫に望まれる機能は①金融機能だけではなく、②地域のコンサル機能もあるのです! 具体的には「課題解決活動の実践」
長島氏の資料には、地域の、面の課題解決という項目があり、解決に必要なのは、
-課題の見える化・・・既存資料の分析や追加調査
-地域人材の発掘・育成・・・ネットワークの形成・参加、ステークホルダー(※)との課題の共有、近隣の地域間での情報交流
-課題解決の実践・・・専門的なノウハウの蓄積 etc
(※企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者)
とあります。
ええっ、こんなことまで考えて営業活動をされているのか!!と目から鱗・・・(私だけ?)
高橋氏は実際に西武信用金庫で実施している支援活動を話してくださいましたが、ここまで関わってくださるのかという感じでした。
例えば今は使っていない支店をNPOの会議室やブースに貸し出したり、NPO支援定期預金を開発して、利息の何%かをNPO支援にまわす。それと同額を信用金庫が補填して出来た基金を、資金援助をしてほしいNPOに分配します。その審査員にはNPO団体にも入ってもらうそうです。そして援助を受けた団体がどのような活動に使ったのかという報告書を作成し、預金をしてくださった方々に配布します。
この定期預金をつくるとき、社内を説得するのが大変だったそうですが、フタを開けてみれば億単位で年々預金高が増えているのだそうです。
こういう情報を聞くと、信用金庫と手を組まないてはありませんね。
堀池氏は「多摩CBネット世話人と三鷹CB研究会の活動」と題して、ご自分の活動について語られました。肩書きにもあるように、この日の共同主催者である広域関東圏コミュニティビジネス推進協議会の幹事でもあるので、広くそちらの活動にもふれられました。インターネットを使って、仕事の発掘やコミュニティの構築を上手にされています。
竹石氏は小学校のPTA仲間が集まって、「住んでいるまちで自分らしく働く」+「暮らしやすくあたたかみのあるまちづくりをコミュニティビジネスで実現する」ことを目指し、NPO法人を立ち上げたそうです。市や大学、商工会や地域金融機関などさまざまなところとネットワークをつくり、小さな規模だから出来る複数の効果を考えて活動されています。
一番初めに紹介した「とんきぃ」の鈴木氏は、自分たちがやっていることがコミュニティビジネスとは考えていなかったとおっしゃっていました。でも、「それこそコミュニティビジネスだよ」と、周りから言われ意識することによって、もう一歩地域貢献度が深まる運営や仲間づくりに発展していきました。信用金庫のNPO定期預金もそうですが、結局回りまわって会社や自分が豊かになるのですね。
がむしゃらに働いて楽しむ時間もないというのではなく、楽しみながら働いて他人も自分も幸せになれる・・・
そんな働き方が広がっていくといいですね。
これは経済産業省関東経済産業局と広域関東圏コミュニティビジネス(CB)推進協議会が主催するものです。
今回は第1部で静岡、第2部では東京多摩地区の報告(パネルディスカッション)がありました。
第1部静岡における事例を発表してくださったのは、以下の3名です。
鈴木芳雄氏(有限会社 三和畜産<とんきぃ>代表取締役社長)
望月 誠氏(静岡県産業部商工業局商工振興室長)
山下智久氏(浜松市商業政策課 商業振興グループ長)
「とんきぃ」は肥料にもこだわって豚を育て、その美味しい豚を食べて欲しいと農家レストランも経営しています。そこで使うお米も美味しさにこだわり自分たちで作っているそうです。また、自分のところだけが潤うのではなく、地域全体が良くなることを目指して「ものづくり研究会」を立ち上げ、「奥浜名カテキット共和国」を組織しました。これはグリーンツーリズムを通じて奥浜名湖の自然が育んだ田舎・自然を体験するものだそうです。現在は5軒のお店が加入しています。
望月氏と山下氏は、行政の立場からどのように支援をしているかや、他のコミュニティビジネスの例などをあげながら、今後のエリアごとの産業起こし等を語られました。
休憩を挟んで第2部は多摩地区の発表です。多摩地区からは以下の4名が登壇されました。
高橋一郎氏(西武信用金庫 常務理事・事業支援部長)
長島 剛氏(多摩信用金庫 価値創造事業部 副部長)
堀池喜一郎氏(三鷹CB研究会、広域関東圏CB推進協議会幹事)
竹内千寿恵氏(NPO法人Mystyle@こだいら代表理事、広域関東圏CB推進協議会理事)
2つの信用金庫からは、信用金庫が地域に果たす役割と実際に行なっている活動や支援についての話がありました。以前は主に中小企業を中心に考えられていた信用金庫としての役割を、今はNPOも視野に入れて対応しているとのことです。
筆者も認識が薄かったのですが、信用金庫に望まれる機能は①金融機能だけではなく、②地域のコンサル機能もあるのです! 具体的には「課題解決活動の実践」
長島氏の資料には、地域の、面の課題解決という項目があり、解決に必要なのは、
-課題の見える化・・・既存資料の分析や追加調査
-地域人材の発掘・育成・・・ネットワークの形成・参加、ステークホルダー(※)との課題の共有、近隣の地域間での情報交流
-課題解決の実践・・・専門的なノウハウの蓄積 etc
(※企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者)
とあります。
ええっ、こんなことまで考えて営業活動をされているのか!!と目から鱗・・・(私だけ?)
高橋氏は実際に西武信用金庫で実施している支援活動を話してくださいましたが、ここまで関わってくださるのかという感じでした。
例えば今は使っていない支店をNPOの会議室やブースに貸し出したり、NPO支援定期預金を開発して、利息の何%かをNPO支援にまわす。それと同額を信用金庫が補填して出来た基金を、資金援助をしてほしいNPOに分配します。その審査員にはNPO団体にも入ってもらうそうです。そして援助を受けた団体がどのような活動に使ったのかという報告書を作成し、預金をしてくださった方々に配布します。
この定期預金をつくるとき、社内を説得するのが大変だったそうですが、フタを開けてみれば億単位で年々預金高が増えているのだそうです。
こういう情報を聞くと、信用金庫と手を組まないてはありませんね。
堀池氏は「多摩CBネット世話人と三鷹CB研究会の活動」と題して、ご自分の活動について語られました。肩書きにもあるように、この日の共同主催者である広域関東圏コミュニティビジネス推進協議会の幹事でもあるので、広くそちらの活動にもふれられました。インターネットを使って、仕事の発掘やコミュニティの構築を上手にされています。
竹石氏は小学校のPTA仲間が集まって、「住んでいるまちで自分らしく働く」+「暮らしやすくあたたかみのあるまちづくりをコミュニティビジネスで実現する」ことを目指し、NPO法人を立ち上げたそうです。市や大学、商工会や地域金融機関などさまざまなところとネットワークをつくり、小さな規模だから出来る複数の効果を考えて活動されています。
一番初めに紹介した「とんきぃ」の鈴木氏は、自分たちがやっていることがコミュニティビジネスとは考えていなかったとおっしゃっていました。でも、「それこそコミュニティビジネスだよ」と、周りから言われ意識することによって、もう一歩地域貢献度が深まる運営や仲間づくりに発展していきました。信用金庫のNPO定期預金もそうですが、結局回りまわって会社や自分が豊かになるのですね。
がむしゃらに働いて楽しむ時間もないというのではなく、楽しみながら働いて他人も自分も幸せになれる・・・
そんな働き方が広がっていくといいですね。
by sikatu5600 | 2010-01-23 09:57